【TOKIMEKI TOUR】
◆第2話 約束
「ダイジョーブデスカ?」
長くてキレイな手が私の目の前に差し出された。
・・・ジニ・・・だ・・・
その場にしゃがみこんだまま身動き一つ出来ずにただ見つめている私。
だって・・・こんなの・・・自分の目の前にジニが・・・この状況・・・信じられる?
そんな私をジニは抱えるようにしてその場に立たせた。
「ア〜〜〜〜!」
そう言ったかと思うと今度は私の足元にしゃがみこみ、そして・・・“パンパン”と私の膝を叩いてジーンズの汚れを払ってくれた。
・・・ひぃぃぃっ。
「ケ、ケンチャナヨ〜。」 (大丈夫です〜)
私は両手を振りながら慌ててジニから離れた。
ジニは優しく微笑むとゆっくりと立ち上がった。
「ジ・・・ウ・・・ジー?」
「へっ?」
・・・今・・・私の名前呼んだ?いや、そんな・・・まさかね・・・気のせいだよね?
「ジウジー?」
・・・えっ!?気のせいじゃない・・・
今度は、はっきりと自分の名前が呼ばれるのが聞こえた。
「ネ、ネーーーっ!!(=はいっ。)」
ビックリした私は咄嗟に“気をつけ”をして返事してしまった。
「・・・プッ。」
そんな私を見てジニが吹きだして笑った。
・・・なんで?どーして?
もう私の頭ん中は?だらけだった。
「どうして・・・私の名前・・・?」
私が尋ねるとジニは笑いながら私の胸元を指差した。
「・・・え?ああ〜〜〜!」
そうだった。私はハングルで名前が書かれた名札を首からぶら下げていたんだった。
私は名札を手に取ると、ジニと一緒に笑った。
そんな幸せな時を邪魔するかの様に車の中では運転手が物凄い剣幕でジニを呼んでいた。
ジニは一度空を見上げると微笑みながら私に手を差し伸べた。
・・・は?
訳がわからず黙ってその手を見つめている私にジニは言った。
「イキマショウ?」
「・・・はい?」
「イッショニ。」
「え?」
「・・・ジンっ!!」
マネージャーの叫び声がひときわ大きくなったと同時にジニは動かない私の手を掴んだ。
「ええええっ。」
私の手を引き車に一緒に乗せようとするジニ。
すぐさま助手席に乗っていた男性が降りてきた。
彼は繋いでいる私とジニの手を振りほどくと、何かを言いながらジニの肩を掴んで車に押し戻そうとした。
そんな彼の手をジニは思いっきり振り払う。
そして・・・再び私の手を掴んだ。
「きゃっ。」
そのまま私はジニに引き寄せられ、ジニの胸に飛び込んでしまった。
「!!!」
・・・かっ・・・顔に・・・ジニの・・・ジニの胸が・・・当たってる・・・
力が抜けてしまった私はそのままジニの胸にもたれかかっていた。
・・・はぁ・・・力が入らない・・・
そんな私をジニは自分の白いトレンチコートで覆い隠す様にすっぽりと包み込むと、スタッフの制止を振り切って私を車に乗せた。
「・・・」
後部座席にジニと二人っきり・・・しかも肩を抱かれたまま。
あははは・・・あはははは・・・
これは夢だ・・・夢なんだ・・・さっき転んだ瞬間に頭でも打ったか・・・?
しかし、そんな私の目の前でジニとマネージャーらしき人の言い争いが始まっていた。
・・・夢じゃない・・・んだ・・・
私のせいでジニが怒られているのがわかった。
そりゃそうだよね・・・私がジニと一緒の車に乗ってるなんて・・・ありえないもの・・・
これがいけない事だって・・・その位は私にもわかる。
私は立ち上がると車から降りようとした。
でもジニはそんな私の手を引っぱり再びそこに座らせた。
もう、マネージャーも諦めた様で・・・そのまま車は走り出した。
ジニはポケットからハンカチを取り出すと、私の髪を撫でる様に拭いてくれた。
私は恥ずかしくて・・・下を向いている事しか出来なかった。
ジニが私の膝の上にハンカチをそっと置いた。
「・・・?」
私は思わずジニの顔を見上げた。
するとジニはハンカチで顔を拭くようにジェスチャーして見せた。
私はそのハンカチを手に取ると言われた通り、自分の顔をそっと拭いた。
・・・ジニの香りだ・・・
思わずうっとり
してしまっていると・・・私の視界にジニの顔が飛び込んできた。
・・・ひぇぇぇっ。
ジニは私を指差すと何やら身振り手振りを始めた。
一生懸命走るジェスチャーで、彼が何を言いたいのかが直ぐにわかった。
だけど・・・その説明する姿が可愛いかったから・・・私はしばらくそれを黙って見ていたんだ。
でも・・・やっぱり・・・あまりにも可愛くて、可愛すぎて・・・つい・・・笑っちゃたんだよね。
「ヤ〜〜〜〜!!」
ジニはちょっと怒った風な顔をして見せた。
「ミアネヨ〜。」
私は笑いながら言った。
で、私もジニと同じように一生懸命走るジェスチャーをして見せた。
ジニは、“うんうん”と顔を縦に頷き、私がどうして今さっき走ってたのかを聞いてきた。
「実は・・・ホテルの部屋に忘れ物をしちゃって・・・。」
私はカバンの中から1枚の紙切れを取り出してジニに見せた。
「これ・・・ジニへの質問。」
そう・・・それは夜の宴会が始まる前に提出する事になっていたジニへの質問用紙。
宴会時にはジニがファンの質問に答えてくれるというイベントが用意されていたのだ。
「これ・・・質問タイムの?」
「はい。」
「これの為だけに?」
「はい。」
「この雨の中を?」
「はい・・・だって・・・200分の1の確率でも・・・ジニと話す事が出来るチャンスを・・・逃す訳にはいかないから・・・。」
うわっ・・・私ったら本人を目の前にして何言ってんだ・・・
自分で言ってから恥ずかしくなった私は下を向いた。
「ちなみに・・・何て書いたの?」
「え?」
思わず私は顔を上げてジニを見た。
「俺への質問。」
・・・今ここで言ったら・・・もう選んでもらえなくなるんじゃ・・・?
そう思った私は首を横に振った。
そんな私の考えに気が付いたのか、ジニが笑いながら言った。
「大丈夫だから・・・教えてよ。」
それで私は質問の内容をジニに教えた。
自分がダンスをやってる事。どうやったらもっと上手に踊れるか?何を練習したらいいか?
今トラワジョを練習中で・・・だけど・・・どうしても上手に踊れない所があって・・・是非そこを実際に目の前で教えて欲しい・・・って書いた事を。 (※トラワジョ=ジニの曲で激しいダンスナンバー♪)
「あははは。トラワジョ練習中なんだ?」
「はいっ。」
「そっかー。」
そんな話をしているうちに車は会場へ到着。
マネジャーさんは振返ると私に先に降りるように言った。
「・・・あ、はい。」
私は急いで立ち上がった。
「ありがとうございました・・・。」
そう言って私は深々と頭を下げた。
でもマネージャーさんは明らかに私を気に入らないといった顔で、“いいから早く降りろ”とジェスチャーをして見せた。
・・・感じ悪っ・・・私が悪いのかよ・・・。
私はジニにも頭を下げた。そして・・・図々しくも最後に握手をお願いした。
ジニは微笑んで手を差し出してくれて・・・私はその手を掴んだ。
その瞬間・・・ジニが私の手をグイッと引っ張り・・・再び私はジニの隣へと引き戻された。
「・・・教えてあげる。」
耳元でジニが小さく囁いた。
「え・・・?」
私は思わずジニの顔を見た。
ジニはニコッと笑うと・・・再び私の耳元で囁く様に言った。
「さっきの質問の答え・・・明日の朝4時にココで。」
「・・・」
「ジン!!」
マネージャーが再び怖い顔をして叫んだ。
ジニは慌てて私を立たせると、“じゃあね”と言って私の背中を押した。
私は車を降りようとドアの側まで行き・・・もう一度振返ってジニの方を見た。
ジニは笑顔で手を振っていた。
ただ・・・座席の・・・シートの下の方では私にしか見えない様に反対側の手で、“約束”と指きりのジェスチャーをして・・・。
(第3話へつづく・・・)
◆第2話 約束
「ダイジョーブデスカ?」
長くてキレイな手が私の目の前に差し出された。
・・・ジニ・・・だ・・・

その場にしゃがみこんだまま身動き一つ出来ずにただ見つめている私。
だって・・・こんなの・・・自分の目の前にジニが・・・この状況・・・信じられる?
そんな私をジニは抱えるようにしてその場に立たせた。
「ア〜〜〜〜!」
そう言ったかと思うと今度は私の足元にしゃがみこみ、そして・・・“パンパン”と私の膝を叩いてジーンズの汚れを払ってくれた。
・・・ひぃぃぃっ。
「ケ、ケンチャナヨ〜。」 (大丈夫です〜)
私は両手を振りながら慌ててジニから離れた。
ジニは優しく微笑むとゆっくりと立ち上がった。
「ジ・・・ウ・・・ジー?」
「へっ?」
・・・今・・・私の名前呼んだ?いや、そんな・・・まさかね・・・気のせいだよね?
「ジウジー?」
・・・えっ!?気のせいじゃない・・・
今度は、はっきりと自分の名前が呼ばれるのが聞こえた。
「ネ、ネーーーっ!!(=はいっ。)」
ビックリした私は咄嗟に“気をつけ”をして返事してしまった。
「・・・プッ。」
そんな私を見てジニが吹きだして笑った。
・・・なんで?どーして?
もう私の頭ん中は?だらけだった。

「どうして・・・私の名前・・・?」
私が尋ねるとジニは笑いながら私の胸元を指差した。
「・・・え?ああ〜〜〜!」
そうだった。私はハングルで名前が書かれた名札を首からぶら下げていたんだった。
私は名札を手に取ると、ジニと一緒に笑った。
そんな幸せな時を邪魔するかの様に車の中では運転手が物凄い剣幕でジニを呼んでいた。
ジニは一度空を見上げると微笑みながら私に手を差し伸べた。
・・・は?
訳がわからず黙ってその手を見つめている私にジニは言った。
「イキマショウ?」
「・・・はい?」
「イッショニ。」
「え?」
「・・・ジンっ!!」
マネージャーの叫び声がひときわ大きくなったと同時にジニは動かない私の手を掴んだ。
「ええええっ。」
私の手を引き車に一緒に乗せようとするジニ。
すぐさま助手席に乗っていた男性が降りてきた。
彼は繋いでいる私とジニの手を振りほどくと、何かを言いながらジニの肩を掴んで車に押し戻そうとした。
そんな彼の手をジニは思いっきり振り払う。
そして・・・再び私の手を掴んだ。
「きゃっ。」
そのまま私はジニに引き寄せられ、ジニの胸に飛び込んでしまった。
「!!!」
・・・かっ・・・顔に・・・ジニの・・・ジニの胸が・・・当たってる・・・

力が抜けてしまった私はそのままジニの胸にもたれかかっていた。
・・・はぁ・・・力が入らない・・・
そんな私をジニは自分の白いトレンチコートで覆い隠す様にすっぽりと包み込むと、スタッフの制止を振り切って私を車に乗せた。
「・・・」
後部座席にジニと二人っきり・・・しかも肩を抱かれたまま。
あははは・・・あはははは・・・
これは夢だ・・・夢なんだ・・・さっき転んだ瞬間に頭でも打ったか・・・?しかし、そんな私の目の前でジニとマネージャーらしき人の言い争いが始まっていた。
・・・夢じゃない・・・んだ・・・

私のせいでジニが怒られているのがわかった。
そりゃそうだよね・・・私がジニと一緒の車に乗ってるなんて・・・ありえないもの・・・
これがいけない事だって・・・その位は私にもわかる。
私は立ち上がると車から降りようとした。
でもジニはそんな私の手を引っぱり再びそこに座らせた。
もう、マネージャーも諦めた様で・・・そのまま車は走り出した。
ジニはポケットからハンカチを取り出すと、私の髪を撫でる様に拭いてくれた。
私は恥ずかしくて・・・下を向いている事しか出来なかった。
ジニが私の膝の上にハンカチをそっと置いた。
「・・・?」
私は思わずジニの顔を見上げた。
するとジニはハンカチで顔を拭くようにジェスチャーして見せた。
私はそのハンカチを手に取ると言われた通り、自分の顔をそっと拭いた。
・・・ジニの香りだ・・・
思わずうっとり
してしまっていると・・・私の視界にジニの顔が飛び込んできた。・・・ひぇぇぇっ。
ジニは私を指差すと何やら身振り手振りを始めた。
一生懸命走るジェスチャーで、彼が何を言いたいのかが直ぐにわかった。
だけど・・・その説明する姿が可愛いかったから・・・私はしばらくそれを黙って見ていたんだ。
でも・・・やっぱり・・・あまりにも可愛くて、可愛すぎて・・・つい・・・笑っちゃたんだよね。
「ヤ〜〜〜〜!!」
ジニはちょっと怒った風な顔をして見せた。
「ミアネヨ〜。」
私は笑いながら言った。
で、私もジニと同じように一生懸命走るジェスチャーをして見せた。
ジニは、“うんうん”と顔を縦に頷き、私がどうして今さっき走ってたのかを聞いてきた。
「実は・・・ホテルの部屋に忘れ物をしちゃって・・・。」
私はカバンの中から1枚の紙切れを取り出してジニに見せた。
「これ・・・ジニへの質問。」
そう・・・それは夜の宴会が始まる前に提出する事になっていたジニへの質問用紙。
宴会時にはジニがファンの質問に答えてくれるというイベントが用意されていたのだ。
「これ・・・質問タイムの?」
「はい。」
「これの為だけに?」
「はい。」
「この雨の中を?」
「はい・・・だって・・・200分の1の確率でも・・・ジニと話す事が出来るチャンスを・・・逃す訳にはいかないから・・・。」
うわっ・・・私ったら本人を目の前にして何言ってんだ・・・

自分で言ってから恥ずかしくなった私は下を向いた。
「ちなみに・・・何て書いたの?」
「え?」
思わず私は顔を上げてジニを見た。
「俺への質問。」
・・・今ここで言ったら・・・もう選んでもらえなくなるんじゃ・・・?
そう思った私は首を横に振った。
そんな私の考えに気が付いたのか、ジニが笑いながら言った。
「大丈夫だから・・・教えてよ。」
それで私は質問の内容をジニに教えた。
自分がダンスをやってる事。どうやったらもっと上手に踊れるか?何を練習したらいいか?
今トラワジョを練習中で・・・だけど・・・どうしても上手に踊れない所があって・・・是非そこを実際に目の前で教えて欲しい・・・って書いた事を。 (※トラワジョ=ジニの曲で激しいダンスナンバー♪)
「あははは。トラワジョ練習中なんだ?」
「はいっ。」
「そっかー。」
そんな話をしているうちに車は会場へ到着。
マネジャーさんは振返ると私に先に降りるように言った。
「・・・あ、はい。」
私は急いで立ち上がった。
「ありがとうございました・・・。」
そう言って私は深々と頭を下げた。
でもマネージャーさんは明らかに私を気に入らないといった顔で、“いいから早く降りろ”とジェスチャーをして見せた。
・・・感じ悪っ・・・私が悪いのかよ・・・。
私はジニにも頭を下げた。そして・・・図々しくも最後に握手をお願いした。
ジニは微笑んで手を差し出してくれて・・・私はその手を掴んだ。
その瞬間・・・ジニが私の手をグイッと引っ張り・・・再び私はジニの隣へと引き戻された。
「・・・教えてあげる。」
耳元でジニが小さく囁いた。
「え・・・?」
私は思わずジニの顔を見た。
ジニはニコッと笑うと・・・再び私の耳元で囁く様に言った。
「さっきの質問の答え・・・明日の朝4時にココで。」
「・・・」
「ジン!!」
マネージャーが再び怖い顔をして叫んだ。
ジニは慌てて私を立たせると、“じゃあね”と言って私の背中を押した。
私は車を降りようとドアの側まで行き・・・もう一度振返ってジニの方を見た。
ジニは笑顔で手を振っていた。
ただ・・・座席の・・・シートの下の方では私にしか見えない様に反対側の手で、“約束”と指きりのジェスチャーをして・・・。
(第3話へつづく・・・)
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